東北大学工学部金属工学科 創立百周年記念展示室
展示空間|2024
Place:
宮城県仙台市
Client:
東北大学
Design:
ディレクション・グラフィックデザイン (株)ナナイロ 空間構成 H.simple Design Studio サイン (株)スリーエイト
Photo:
Lighting Design Studio LUME
Other:
東北大学青葉山キャンパスにオープンした工学部金属工学科創立百周年記念のための展示室。材料研究、各関連企業及び産業界の最新材料や技術がわかりやすく展示されている。外光がふんだんに入る展示室で、照明は限られた予算の中、配光可変のスポットライトにフードやフィルターを使用し、器具はなるべく目立たないようにした。淡い色彩の差し色と、立体文字やフロストのカラーアクリルから生まれる柔らかで美しいグラフィック、シンプルな展示構成で、硬い展示内容に関わらず、魅力的な展示空間に仕上がった。
竹亭大和別邸及び新館ライトアップ
アウトドア・ライトアップ|2023
Place:
宮城県
Client:
竹亭
Design:
新館建築設計:株式会社 SPAZIO(スパジオ)建築設計事務所
Photo:
Kazuhiko Monden. Studio LUME
Other:
四季折々の庭の風景を,食事しながらと散策,両方で楽しめる料亭のライトアップ。
オーナーがお茶をたしなまれるため、夜の茶会も念頭におき、池に落ちる水滴がつくる水の揺らぎが竹林にゆらゆらと映り込む夜ならではの光景もつくった。満月や星と共に楽しめる里山の夜景。
エビス動物病院増築工事
医療・福祉・教育施設|2023
Place:
宮城県
Client:
エビス動物病院
Design:
都市建築設計集団 UAPP
Photo:
大武写真館・Studio LUME
Other:
新築工事の際に関わらせていただいたクリニックの増築及びリニューアルのプロジェクト。新たにスタッフルームとして増築された部分は、研修やミーティング、休憩など時間によってさまざまな用途に使用されるため、シーンコントローラーで部屋の用途や時間によりワンタッチで照明の色と明るさが変えられるようにした。
既存の部分はこの機会にシームレス蛍光灯などの器具のLED化を図り、外光の入る部分は光の調整ができるようにし、省エネ化とより診察のしやすい光とした。
外構に関しては、増築部の木のルーバーを半間接的に照らすことで、国道からのアイキャッチと駐車場部分のあかりとりの役目も果たしている。
天守閣自然公園 秋保ナイトミュージアム
アウトドア・ライトアップ|2023
Place:
宮城県仙台市太白区秋保町
Client:
天守閣自然公園 小屋舘跡庭園
Photo:
Kazuhiko Monden
Other:
2011年から12年間、継続して企画と照明計画を担当しているライトアップイベント。 もみじの綺麗な秋の約3週間、紅葉を中心とした日本庭園とその広大な庭を構成している秋保石のダイナミックな岩山をライトアップしている。オーナー自ら重機を動かして、年々大規模な改修をし美しく整備されていく公園を、その時々の新しい景色を考慮しながら照らしている。 2023年は期間中のインスタグラム(@akiu_tensyukaku) やキャンペーンなども担当した。
毎年、海外のアーティストの作品や地元の子供達とのワークショップ、地元の作家や大学生とのコラボレーションなど、庭園の場を活かした作品やアクティビティーも場内にちりばめ、近年は地域での人気イベントとなっている。2018年にはDARC AWARDSのイベント部門で世界2位を獲得した。初年度には数百名であった入場者数も、2021年にはオーナーが先頭を切って地域の方や行政のご協力で夜の街を光で繋げようというAKIULUMINAに発展したことで入場者数35000人を超え、2023年にはAKIULUMINARTというアートを町の中に展示するイベントも始まった。
回遊式の庭園のため、光源のグレア(まぶしさ)の制御が難しいが、フードやルーバーを駆使しまぶしさの低減を図り、照らされた対象物だけが目に入る上質な庭園に仕上げている。また、年々少しづつLEDへの置き換えや主幹の配線を太くすることで、使用電力の低減と明るさの向上に繋げてきた。スイッチは広大な庭園に設置した約500台の器具を一つのタイマーで制御し、運営される方の手を煩わせないようにしている。
この庭園自体の持つ美しさや、庭園を構成する自然や空間の要素を光で目立たせることで、その魅力に気がつき、昼間にもまた行ってみようと思っていただけたらと願っている。
磊々峡 覗橋ライトアップ2023
イベント・ワークショップ・セミナー|2023
Place:
宮城県仙台市太白区秋保町
Client:
仙台市
Photo:
Kazuhiko Monden
Other:
2011年から2014年まで担当していたライトアップのリバイバル。G7科学技術会議が秋保温泉で開催されることにあわせてゴールデンウィークに開催された。秋保温泉に沿って広がる峡谷。そのダイナミックな岩肌の表情を陰影を使って見せ、峡谷を見下ろす橋の下をライトアップすることで、道路の高さより下の谷の存在感を見せた。 地元の地場産業であった秋保石を使って石灯籠を特注し、遊歩道の地明かりとした。 橋の欄干はLEDのテープライトで間接照明を仕込み、ライトアップの見えを邪魔せず足元の歩道を照らした。
おおつち斎苑
公共・宗教・宿泊施設|2022
Place:
岩手県大槌町
Client:
大槌町
Design:
関•空間設計 江田紳輔+本間亜門
Photo:
浜田昌樹(kkpo)
Other:
終焉の儀式にふさわしく、厳粛の中にも心の安らぎを感じるような火葬場、という建築のコンセプトを受け、会葬者が故人と静かに向き合える、また思い出を分かち合える場としての光を作った。
建物の中心に位置し、外からもよく見える収骨室を儀式の中心としてとらえ、収骨室の外壁回りは建物のコアとして曲面の壁を上からの強い光で洗い出し、テクスチャーのあるタイルを強調しつつ象徴性を持たせた。 収骨室内部に関しては故人が天に向かって昇天していく様を見送る会葬者の視線の動きに配慮しつつ、最後のお別れの場として荘厳で落ち着いた雰囲気を作る光とした。
また、全体を通し、行く先々の鉛直面や扉前に光を落とし、行くべき先を見せてサインに頼らなくても会葬者が自然と流れるよう、明快な動線を光で強調することを心がけた。 一部、木ルーバーの上から場を和らげる木漏れ日のような光を演出している。
南三陸311メモリアル 展示照明
公共・宗教・宿泊施設|2022
Place:
宮城県本吉郡南三陸町
Client:
南三陸町
Design:
建築設計 隈研吾建築都市設計事務所 展示設計 H.simple Design Studio 合同会社 展示企画 有限会社 ダ・ハ プランニング・ワーク 吉川由美
Photo:
STUDIO LUME
Other:
地域住民の被災体験をもとに防災について共に考え、後世に伝え継ぐために整備された施設。 建物自体は隈研吾氏による震災後の南三陸再開発の最終建築として南三陸杉のルーバー材をファサードに用いた象徴的な建物で、天井や壁面が傾斜した平面で構成されている。
展示空間は震災の記憶を伝える品々を展示したスペース、クリスチャン・ボルタンスキーの遺作「MEMORIAL」の部屋、自然災害について学び合うためのラーニングプログラムの展示室からなる。 天井高が約6mある展示空間を、レンズ交換が可能で演色性もよく、フードの長さに選択肢のある美術館用の器具をメインに使用。展示替えにもフレキシブルに対応でき、様々な大きさと形状の展示物に最適な光があたるように事前の実験で検証し、現場で調整した。 斜め天井に傾斜のついた壁面で構成され、外光がふんだんに入り込む展示空間を含むため、明るさを含め全体の光のバランスを取るのが難しい空間だった。 https://m311m.jp//
Cliff House−岸壁の景
住宅・別荘|2021
Place:
静岡県熱海市
Design:
改修設計:Hannat Architects
Photo:
鳥村鋼一
Other:
設計 黒川紀章、施工 中村外二による数寄屋造り建築をHannat Architectsが現代的にリノベーション。一新された浴室廻りと屋外空間を低い位置の光を中心に、夜ならではの光環境を作った。波の音を聞きながら外でリラックスして団らんをするために、必要最低限の明るさを電球色の温かみのある光で低い位置から取っている。段差の部分に下向きにLEDの粒の見えないテープライトを仕込むことにより、雨天時などにも粒の見えない映り込みで足元の安全を確保している。海辺に近いため、塩害に強い器具を選定している。